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DNAの傷から健康リスク推定 社会実装へ向けた産学連携研究を開始
強固なセキュリティ機能と独自アルゴリズムの搭載で2023年からのサービス化目指す

 国立大学法人茨城大学、茨城大学発ベンチャーの株式会社Dinow、株式会社フォーカスシステムズは、産学が連携する共同研究を開始しました。同研究では、DNA損傷?生体情報?生活習慣に関わる情報等を強固なセキュリティのもと管理するデータベース、ソフトウエア及びアプリの開発を第一到達点とし、将来的にはDNAの"傷"から発がんや老化等の健康リスクを推定し、その予防に役立つ新たなヘルスケアサービス等幅広いソリューションの創出を目指します。

新たな放射線影響評価の運用イメージと将来像【新たな放射線影響評価の運用イメージと将来像】

 DNAは放射線や紫外線、ウイルス等によって知らない間に傷を負います。この傷の蓄積が様々なヒトの健康リスクに繋がることが科学的に証明されてきました。
 茨城大学大学院理工学研究科(理学野)中村麻子教授の研究室では、放射線被ばくを受けた方のDNA損傷数を数え、放射線被ばく線量や被ばくによって受けた健康リスクを数値化し、DNAに傷を負わせる要因との相関関係を推定する研究に取り組んでいます。これにより、従来の「放射線→健康影響」での評価に「DNA損傷→健康影響」の評価軸を加えることができ、「より正確でパーソナライズされた」評価方法への転換が可能となります。
 2020年3月に設立された茨城大学発ベンチャーのDinowは、その技術を利用したヘルスケア事業を推し進め、放射線被ばくによる健康影響への不安という社会課題の解消を目指しています。同事業ではDNA損傷?生体情報?生活習慣等に関わる情報を取り扱うため、その社会実装にあたっては、高度なセキュリティを備えたデータベースの構築と、これらを活用した安全なソフトウエア及びアプリケーションの開発が不可欠です。
 そこで、フォーカスシステムズ?茨城大学?Dinowの三者は、茨城大学?Dinowによる生命科学技術に基づくデータの獲得?分析を基礎に、フォーカスシステムズが高度なセキュリティを備えたデータベースの構築?推定プログラムの開発等を担い、相互協力していくことで合意し、共同研究契約締結の上、同研究を開始しました。

3つの目標 (2021年度中)

DNA損傷データの蓄積(100~200人分)
②データベースの試作(100人規模)
DNAの損傷要因を推定するプログラムの試作(DNA損傷?生体?生活習慣等データに基づく)

同研究の概要等
■概要
【題目】DNA損傷情報を中心とした生体情報のデータベース、ソフトウエア及びアプリの開発
【内容】生体情報?個人情報等のデータ管理と解析を行うためのデータベース等による管理の最適化

■役割
フォーカスシステムズ
?セキュリティ性の高いデータベースの構築(デリケートなデータの保管方法)
?データベースを用いたヘルスケアウェブアプリケーションの継続的な開発
?DNA損傷、生体情報データを用いた要因推定法の開発(新しい解析モデルの開発)

Dinow
?生活習慣?生体情報とDNA損傷レベルとの相関性解析
?DNA損傷データベースに基づく疾病リスク評価

茨城大学
?生体試料を用いたγ-H2AXアッセイの実施
?DNA損傷データの収集

DNA損傷評価を基盤とした事業展開例

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